食道がん

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当院での初診から食道がん手術までの実際

初診時から手術までの期間は、3週間程度です。stageII~IIIで術前補助化学療法を行う場合は、3か月程度です。最初の1週間で、血液検査・心電図検査・心臓超音波検査・上部消化管内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査・食道造影検査・胸腹部造影CT・FDG-PETを行い、手術適応や耐術能の評価を行います。周術期口腔ケアで肺炎合併症予防、栄養補助剤で免疫力・栄養状態の強化を行います。手術前日に入院となります。

食道がんの手術療法

食道がんの手術は、食道亜全摘術および頸部・胸部・腹部の3領域リンパ節郭清が基本です(図1)。以前は肋骨も切除するような開胸での食道亜全摘術が行われていましたが、近年、胸腔鏡下手術が急速に普及しており、創の縮小による疼痛の軽減や呼吸器合併症の低減が期待できます。当院でもほとんどの症例で腹臥位胸腔鏡・腹腔鏡下での食道亜全摘術を行っています(図2・3)。ハイビジョンでの拡大された鮮明な画像で、開胸手術よりも繊細で出血の少ない手術が可能となりました。

当院での再建は、細径胃管を用いた胸骨後経由を第一選択としています(図4)。術中ICG蛍光法による細径胃管の血流評価を行い、適切な位置で吻合を行い、縫合不全の低減に努めています。手術時には、術後の早期経腸栄養に備えて十二指腸瘻からの栄養チューブを留置します。また、術後合併症のインフォメーションとして胸腔ドレン・頸部ドレンを留置します。

図1

図2

図3

図4

手術時間、入院経過、合併症について

標準的な胸腔鏡・腹腔鏡下食道亜全摘術の場合は、手術時間は約8時間で、輸血をしないことがほとんどです。手術当日は、ICUで人工呼吸管理を行いますが、手術翌日には人工呼吸器から離脱して、積極的に離床・リハビリを開始します。また、栄養チューブからの早期経腸栄養を開始します。手術後7日目に経口摂取を開始しています。手術時に留置した胸腔ドレン・頸部ドレンは、1週間以内に適宜抜去しています。入院期間は当院平均17.7日であり,全国平均(29日)と比べ短く,早い社会復帰が見込まれます。退院後は、1~2か月程度、経口摂取に加えて栄養チューブからの経腸栄養を併用して、体重減少の抑制に努めています。

三大合併症は、縫合不全・反回神経麻痺・肺炎です。ただし退院時には、その危険はほぼ乗り越えた状態となっています。反回神経麻痺(嗄声や嚥下機能低下)を起こした場合でも、術後約半年でおおむね軽快します。また、術後1月ぐらい経ってから吻合部狭窄が出現することもあり、その際は内視鏡的バルン拡張術を複数回行う必要があります。

外来診療時間

午前8時30分~午後5時15分

※初診の方はかかりつけ医の
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 午前8時30分~午前11時
(予約のある方の後での診療に
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※診療科によっては受診できない
 場合があります。
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休診日
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(12月29日から1月3日)
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