胆道・膵臓がん

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胆道・膵臓における外科的対象疾患の主なものは悪性腫瘍(がん),結石,炎症ですが,ここでは消化器外科における胆道・膵臓がんの治療法,成績についてお話します。

胆道がん

肝臓で作られた胆汁は最終的に十二指腸に分泌されますが,その通り道を胆道といいます。胆道は長さ8cmの管状の胆管と胆汁を一時貯蔵する胆嚢からなり,胆管は肝臓側から肝門部領域胆管・遠位胆管に分類されます。胆管の十二指腸への開孔部を十二指腸乳頭部といいます。胆道がんはその発生部位により肝門部胆管がん・遠位胆管がん・十二指腸乳頭部がん・胆嚢がんに,腫瘍が広範囲領域に及ぶ場合は広範囲胆管がんに分類されます。胆管がん,十二指腸乳頭部がんの主な症状は閉塞性黄疸です。腫瘍により胆管が狭窄する結果,胆汁がうっ滞して発生します。具体的には皮膚の黄染,かゆみのほか,尿が紅茶色になった,便の色が灰色になった等の訴えを経験します。胆嚢がんの最も多い症状は右上腹部痛です。

1)胆道がんの外科治療と化学療法

手術は腫瘍の存在部位により肝臓切除,胆管(胆嚢)切除,膵頭十二指腸切除を腫瘍の局在・浸潤の程度と患者さんの全身状態を考慮して単独もしくは組み合わせて行いますが,いずれも高度な技術が必要とされる難易度の高い手術です。消化器外科には日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能手術指導医が4名在籍しチームを組んでこれらの手術に対応しています。切除不能例,術後再発例に対しては黄疸症例には内視鏡的胆管ステントを留置して内瘻化をはかり,塩酸ゲムシタビン,シスプラチンやS1を使用した化学療法もしくは化学放射線療法を行っています。

2)消化器外科における胆道がん治療成績

消化器外科では1996年から2015年までに187例の胆道がん切除術を行いました。内訳は遠位胆管がん53例,広範囲胆管がんを含む肝門部胆管がん36例,十二指腸乳頭がん44例,胆嚢がん54例です。手術術式および治療成績は下図をご参照ください。

膵臓がん

膵臓は腹部消化管のうち最も背中側に存在する小さな臓器です。頭部・体部・尾部に分類され頭部は十二指腸に囲まれ胆管が通っています。体部の前面には胃,尾部には脾臓が位置しています。膵臓の主な役割は食物の消化(膵液分泌)と血糖の調節です。膵臓がんは消化器がんのなかで最も悪性度が高く,腹痛,黄疸,体重減少が診断の契機となることが多いです。

当院では膵・胆道専門内科医が積極的に内視鏡超音波検査,造影検査,組織診断を行い,胆・膵外科医が手術を行い,腫瘍内科医が術後補助化学療法を行うシームレスな早期診断と早期治療を実践しています。

1)膵臓がんの外科治療

唯一,治癒の可能性がある治療法は切除手術です。遠隔転移,主要動脈浸潤のない耐術可能な患者さんには手術をお勧めします。膵がんが頭部に存在するときは膵頭部,胃・十二指腸,胆管を腫瘍とともに切除する膵頭十二指腸切除術(PD)を,膵体尾部に存在する場合は膵体尾部と脾臓を切除する膵体尾部切除術(DP)を選択します。最近は胃を温存する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)や亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)もよく行われ,当科では膵臓がんに対してはSSPPDを,胆道がんにはPPPDを主に施行しています。

さらに近年,重要血管に腫瘍がくっついているなど,手術できるかどうかの境界病変に対しては,化学療法を先行してがんを縮小させたのち手術することも行っています。また,一部の嚢胞腫瘍などの低悪性度病変には腹腔鏡手術も取り入れ,過不足のない手術を心がけています。

2)化学療法

膵臓がんは悪性度が高いため切除症例においても再発をきたすことがままあります。そのため多くの施設で術後補助治療が行われています。当科では塩酸ゲムシタビンやS1を用いた全身化学療法を行っております。再発膵癌に対しては臨床腫瘍科と連携して多剤併用の全身化学療法もしくは化学放射線療法を行なっています。さらに切除不能膵がんに対しては内視鏡的胆管ステントや十二指腸ステントを留置したり,胃腸バイパスや胆管腸バイパス手術を行って食事摂取可能な状態まで回復していただき,化学療法や化学放射線療法を行っています。また,前記治療が不可能な患者さんに対する緩和医療にも対応しております。

3)周術期栄養管理とチーム医療

膵頭十二指腸切除術は消化機能の中枢を担う膵,十二指腸,胃を切除するため,術後消化機能低下や膵性糖尿病を合併し栄養不良(やせ)に陥ることがあります。周術期の合併症を回避して,早く回復し,退院後もQOLを高く維持するように努めています。術後補助化学療法を,副作用を予防して十分かつ円滑に遂行するためには,術前後の栄養状態を良好に保つことが大切です。

近年,消化器外科領域では周術期の不要な絶食や安静をできる限り短縮して,早く日常状態に回復する術後回復力強化プログラム(ERAS)が欧米から我が国にも導入され普及しつつあります。消化器外科では栄養管理科,歯科,リハビリテーション科,栄養サポートチーム(NST)と共同で術前・術後に抵抗力を増す免疫強化栄養,口腔ケア,筋力低下予防リハビリテーションを行い,退院後も長期にわたって患者さん個々に適したオーダーメードの栄養指導や栄養治療を行ってクオリティの高い術後療法を受けることができるように配慮しています。

4)消化器外科における膵臓がん治療成績

消化器外科では1996年より2016年までに194例の膵臓がん切除術を経験しました。内訳は標準膵頭十二指腸切除術(PD):47例,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD):13例,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD):82例,膵体尾部切除術(DP):51例,膵全摘(TP):1例でした。門脈などの血管合併切除を併施した症例は80例(41.2%)でした。進行度はTis:1例, I:6例,II:2例,III:73例,IVa:76例,IVb:36例でした。治療成績は下図をご参照ください。

外来診療時間

午前8時30分~午後5時15分

※初診の方はかかりつけ医の
 紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
 午前8時30分~午前11時
休診日
土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日)
面会時間
11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)

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