腎細胞がん
腎細胞がんQ&A
- Q.腎細胞がんの特徴とは何ですか?
- A.
- ●腎臓がんは,概して大きくなるまで無症状です。
- ●健康診断や他の疾患の検査時に発見される機会が増加しています。
- ●CTやMRIが確定診断に有用です。
- ●治療の基本は外科的な切除(手術)で,早期発見例では,部分切除術が選択されます。
- Q.腎細胞がんの症状はどのようなものがありますか?
- A.
- ●腎細胞がんの症状は血尿,腹部腫瘤,疼痛ですが,概して大きくなるまで無症状です。
- ●健康診断や他疾患の精査目的での超音波検査,CTで見つかることが多いです。
- ●進行例では,体重減少,貧血,発熱を呈します。
- Q.腎細胞がんの診断はどのようなものがありますか?
- A.
- ●超音波検査で腎の腫瘤影の確認は可能です。
- ●CT・MRIが腎がんの診断に有用で,転移の有無や進展度の診断に有用です。
- ●確定診断は摘出組織の病理診断で行われます。
- Q.腎細胞がんの診断の流れ
- A.
- Q.腎細胞がんのタイプと病期
- A.腎細胞がんの進展度(T)
原発腫瘍(T) TX 原発腫瘍の評価が不可能 T0 原発腫瘍を認めない T1 最大径が7.0cm以下で,腎に限局する腫瘍 T1a 最大径が4.0cm以下で,腎に限局する腫瘍 T1b 最大径が4.0cmを超えるが7.0cm以下で,腎に限局する腫瘍 T2 最大径が7.0cmを超え,腎に限局する腫瘍 T2a 最大径が7.0cmを超えるが10.0cm以下で,腎に限局する腫瘍 T2b 最大径が10.0cmを超え,腎に限局する腫瘍 T3 主静脈または腎周囲組織に進展するが,同側の副腎への進展がなくGerota筋膜を超えない腫瘍 T3a 肉眼的に腎静脈やその区域静脈(壁に筋組織を有する)に進展する腫瘍,または腎周囲および/または腎洞(腎盂周囲)脂肪組織に浸潤するが,Gerota筋膜を超えない腫瘍 T3b 肉眼的に横隔膜下の大静脈内に進展する腫瘍 T3c 肉眼的に横隔膜上の大静脈内に進展,または大静脈壁に浸潤する腫瘍 T4 Gerota筋膜を超えて浸潤する腫瘍(同側副腎への連続的進展を含む) 腎癌取扱い規約第4版2011年
- Q.腎細胞がんの病期別治療法
- A.
- ◎病期と全身状態を判断材料に,治療法を選択する。
・腎摘除:腎細胞がん治療のスタンダード
・転移巣の切除
・免疫療法
・分子標的治療薬/免疫チェックポイント阻害薬 - ◎病期別主要治療法
Ⅰ期 治療のための外科的な腫瘍除去 Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期 ・腫瘍減量と寛解のための原発・転移巣の外科的切除
・免疫療法(IL-2,INFα)
・分子標的治療薬
・免疫チェックポイント阻害薬 - ◎病期と全身状態を判断材料に,治療法を選択する。
- Q.腎細胞がんの診断,治療の手順,流れ 2011(抜粋)
- A.
腎癌診療ガイドライン,日本泌尿器科学会編,金原出版,2011
- Q.腎細胞がんの手術方法-1
- A.
- ◎開腹手術
・T3以降のがんや腎部分切除術で適応される
・腹部の切開が比較的大きい
・技術的に安定し,多くの施設で行われている
※赤,青,緑で示したような部分の皮膚を切開 - ◎腹腔鏡手術
・主に初期(T1-2)のがんで適応される。
・腹部の切開が小さく,患者さんの負担が少ない。
・行われる施設は限定される。
- ◎開腹手術
- Q.腎細胞がんの手術方法-2
- A.
腎摘出術 腎部分切除術 摘出する
範囲
腎臓,周囲脂肪組織,Gerota筋膜
※副腎,所属リンパ節は必要に応じて摘出
腎臓内のがんとその周辺組織の一部
正常組織は可及的に温存適応 ・全身状態が良好である
・対側の腎機能が正常である
・腎部分切除術ができない場合
(大きな腫瘍,静脈腫瘍血栓など)・正常な機能の腎臓が1つである
・両側の腎臓にがんがある
・対側の腎機能が低下しており,全摘により腎不全になることが予想される
・腎機能が正常であっても,がんの最大径が小さく突出型である - Q.腎細胞がんの手術方法-1 腎細胞がんの化学療法はどのようなものですか?
- A.
- ●外科的に根治的切除不能な場合や転移性の腎細胞がんの場合,生存期間の延長症状の緩和の目的で,全身療法を行うことがあります。
- ●現在,6種類の分子標的薬と1種類の免疫チェックポイント阻害薬があります。
一般名 商品名 分子標的
治療薬TKI ソラフェニブ ネクサバール スニチニブ スーテント アキシチニブ インライタ パゾパニブ ヴェトリエント mTOR阻害剤 エベロリムス アフィニトール テムシロリムス トーリセル 免疫チェックポイント阻害剤 ニボルマブ オプジーポ
- 外来診療時間
-
午前8時30分~午後5時15分
※初診の方はかかりつけ医の
紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
午前8時30分~午前11時
(予約のある方の後での診療に
なります)
※診療科によっては受診できない
場合があります。
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≫≫外来診療担当医表 - 休診日
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(12月29日から1月3日) - 面会時間
- 11時~13時まで(平日)
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