胃がん

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胃がんとは

胃がんは胃粘膜より発生するがんで,ほとんどが腺がんです。日本では肺がん,大腸がんについで3番目に高い罹患率・死亡率となっています(2021年全国がん登録罹患データ・人口動態統計がん死亡データ)。その罹患率は40歳代後半以降に高くなりますが,近年,ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌率の上昇や,検診での早期発見により罹患率・死亡率は男女とも大きく減ってきています。一方で,高齢患者や食道-胃近傍のがん(食道胃接合部がん)が増加していることが注目されています。

症状

胃がんは早い段階では症状が出ることは少なく,かなり進行しても無症状の場合があります。特有の症状はなく,嘔気・嘔吐,食欲不振,胃もたれ感,腹部膨満感,上腹部痛,胸やけ,黒色便などの症状が出ることがあります。これらの症状は胃炎や胃潰瘍でも出現するため,検査しなければ確定診断はできません。

検査

胃がんの診断にはX線診断(バリウム検査),上部消化管内視鏡検査,超音波内視鏡(EUS)検査,CT,MRI,PET-CTなどが行われます。良性・悪性の診断には内視鏡で組織を採取(生検)し,病理医による組織診断により決定されます。胃がんの広がりを正確に評価するため,審査腹腔鏡という検査を行う場合もあります。

診断(ステージ)治療

胃がんは胃の内側に飛び出すように成長するだけでなく,胃の壁に深く進んで成長し,壁を突き抜けると周囲の臓器(大腸や膵臓など)に広がったり,お腹全体にがん細胞が散らばったりします(腹膜播種)。また成長に伴って,がん細胞がリンパ管や血管に入り込み胃周辺のリンパ節や離れた臓器(肝臓や肺など)に広がっていきます(転移)。胃がんの進み具合は,この胃壁の深さと転移・腹膜播種の有無によって決まり,I-IVの4つの病期(Stage)に分けられます。

胃がんの深さ(深達度)

資料:国立研究開発法人国立がん研究センター

胃がんの広がり(転移・播種)

資料:胃がん治療ガイドラインより

臨床分類

治療方針を決定する際に使用する分類
胃癌取扱い規約 第15版より作成

病理分類

切除後の病理検査で実際のがんの広がりを評価した分類
術後補助化学療法など,手術後の治療方針を判断するときなどに使用
胃癌取扱い規約 第15版より作成

治療

胃がんの治療は,内視鏡治療,手術,薬物療法(化学療法)の3つが中心であり,治療法は病期に基づいて決まります。

StageIAの内,内視鏡的切除適応病変に対してはEMR/ESDが可能であり,患者さんへの肉体的負担が少ないこと,胃の機能温存が出来ること,入院期間が短縮できることから日本では積極的に行われています。ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)では比較的大きな病変も一括切除できるようになり,内視鏡治療の適応拡大も検討されております。

遠隔転移のない手術可能症例に対しては外科手術が選択されます(詳細は外科治療のページ参照)。がんのある胃の切除と同時に,周囲のリンパ節を取り除くリンパ節郭清,食物の通り道を作り直す再建手術が行われます。がんの深さが浅くリンパ節転移を認めない症例には,郭清を一部省略することが可能です。

遠隔転移を認める症例でも,化学療法を行いながら根治切除を望めるチャンスがあれば,集学的治療の一環としての手術も行っています。StageIVでも,あきらめずに積極的に根治を目指しています。

胃がん治療選択アルゴリズム

資料:患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版

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