乳がん
- 放射線治療
- 乳房再建
- チーム医療
- 検査のご案内(動画)
チーム医療
乳がん治療に伴い、将来の妊娠や出産を心配される方に対しては、生殖医療科と連携しながら治療を進めていきます。入院中は西7病棟の看護スタッフ全員が手術前後のケアや退院後の不安を少しでも和らげることができるよう日常生活支援を担当しています。また病院内には第1・3水曜日(予約制)にリンパ浮腫ケア外来(当院で手術を受けられた方が対象)があり、リンパ浮腫セラピストの小畠看護師がリンパ浮腫の予防・治療を担当しています。他にも様々な部門と連携しながらチーム医療を行っております。
将来の妊娠出産への対応
兒玉 尚志医師
(生殖医療科 主任部長)
若年の乳がん患者さんは乳がんの治療(特に抗がん剤を中心とした治療)により、治療後の妊孕性(妊娠する能力)が低下し、不妊となる可能性があります。このような患者さんのうち“がんを克服し、将来、妊娠出産を考えたい”と考える患者さんにとっては、抗がん剤や放射線などのがん治療によって生殖機能の低下を来す前に、妊娠する能力(チャンス)を残しておくこと(妊孕性温存)が重要となります。
当院では、乳腺外科と生殖医療科が連携し、妊孕性温存(卵子凍結、受精卵凍結、卵巣凍結)を積極的に行っています。ただし、妊孕性温存はすべての患者さんに対して可能なわけではなく、基本的には乳がんの治療が最も優先されますので、乳がんの治療に支障を来さない範囲内で行うことが重要で、当科としては、乳がんの主治医の先生から妊孕性温存の許可が出た患者さんに対してのみ治療を行っています。まずは、乳がんの主治医の先生と妊孕性温存に関して相談され、その上で、治療の説明を聞きたい、治療を受けたいとの希望があれば、生殖医療科を紹介していただき、当科での妊孕性温存の実際の治療について相談させていただきます。
リンパ浮腫への対応
リンパ浮腫ケア外来(予約制)
(対象:当院で手術を受けられた方のみ)
腕や脚のむくみ(リンパ浮腫)は、乳がん・子宮がん・膀胱がん・前立腺がんなどの手術でリンパ節を切除された後や放射線治療を受けた患者さんに発症することがあります。リンパ浮腫は一度発症すると完全に治ることは難しく、一生付き合わなければならない合併症です。早期から生活の注意点を守り、適切な治療とセルフケアを開始することで症状を改善することができます。退院後に異常を感じたときは主治医に相談して、このリンパ浮腫ケア外来を受診することが可能です。
通院中のケア
乳がんと診断される前の診療から関わり、乳がんの診断後も引き続いて患者さんに寄り添って乳がん治療の専門的ケアを行っています。具体的には乳がんの治療法を選択する際のサポート、通院治療に伴う合併症や副作用に対する専門的ケア、症状をご自身で緩和するためのセルフケアのための支援です。乳がんを治療するにあたり、病気のことだけでなく家庭や職場、ご家族や育児のことなどさまざまな悩みや問題が現れてきます。一緒に考えながら安心して医療が受けられるよう、きめ細やかな対応に心がけています。また病院内の他スタッフと連携しながら心のケアにも力を入れています。
◎手術前後のリンパ浮腫ケア 腋窩郭清(えきかかくせい)の方を対象
当院ではリンパ浮腫ケア外来がありますが、受診される方の多くは“腋窩郭清”といってリンパ節を多めに切除された方です。腋窩郭清をされた方を対象に、浮腫症状が発症する前から定期的(手術後5年まで)に計測や生活・栄養指導を開始しております。必要時には院内のリンパ浮腫ケア外来と連携して、早期に治療開始できるよう取り組んでいます。詳しくは主治医・外来看護師にお問い合わせください。
入院中のケア
乳がんの手術を行うことでの不安はたくさんあると思います。その中でも手術後の主な後遺症の1つにリンパ浮腫があげられます。入院後から腕のサイズの測定、手術後はパンフレットやDVDを用いて日常生活指導を受けていただき、自宅に帰ってから起こってしまっても慌てることがないようにして退院していただこうと努めています。わからないことは遠慮なく聞いてもらい、一緒に学んでいきたいと思っています。
◎新たにリーフレットを作成、院内で支援体制を整えました。
“親ががんになった時、子供にどう伝えるか”をサポートします。
診療サポート(栄養管理科)
栄養指導
乳がんの患者さんには食事に悩まれる方も多いと思います。当院では栄養指導を行っており、食事の悩みや疑問を相談いただけます。また、肥満は乳がんの再発リスク増加の一因とされており、栄養管理が大変重要です。
地域との連携
当院での乳がん治療が一段落された後のフォローアップ体制として「乳がん地域連携パス」を活用しています。「地域連携パス」とは、地域のかかりつけの先生と当院の医師が、患者さんの治療経過を共有し、継続した“切れ目のない医療”が受けられるための診療計画表です。かかりつけの先生の日常診療に併せて、乳がん治療の経過も診てもらえるため、通院回数や待ち時間など患者さんのご負担を軽くすることにつながります。連携病院がKBネット(県立広島病院と各医療機関を結ぶ、地域医療連携ネットワークシステム)参加医療機関であれば、当院での診療状況が連携病院で確認でき、より円滑に情報共有が可能となります。
また乳がんの手術後(退院後)に広島県が作成した「わたしの手帳」をお渡ししています。ご自身の状態を書きとめ、受診時には医師が経過を記録する“治療経過ノート”です。安心した治療を受けられるためにお役立てください。
(地域連携センター)
毎週、乳腺チームカンファレンスを行い、症例ごとの治療方針の検討をしています。
がんサロン
当院では、平成20年3月から「がんサロン」を開設しています。このサロンでは乳がんに限らず、すべてのがん患者さんを対象にしています。奇数月は前半が学習会、後半が交流会、偶数月は交流会となっています。このサロンは、患者さんとご家族、治療担当の医師が自由にコミニュケーションできる場になっています。お茶を飲みながら、医師、看護師も含めて交流できる機会を格段に増やすことにより、患者さんの不安を少しでも軽減できればと思います。
外来受診
乳腺外来は、木曜日の手術日以外の平日に診療しております。初めて受診される患者さんの受付時間は午前8:30~11:00です。乳がん検診のための受診はお受けしていませんが、検診後に異常を指摘された場合は、紹介状もしくは検診結果を持って受診をしてください。もちろん、気になる症状のある方は遠慮なく受診してください。
紹介状が無くても受診できますが、紹介状があれば選定療養費は不要です。
その他
①地域の乳房超音波検査従事者のスキルアップを目的に、定期的に勉強会を開いています。
ご興味のある方は「ひろしま乳腺超音波研究会」のFacebookをご覧ください。
「乳腺超音波診断カンファレンス」のお知らせを掲載しています。
②セカンドオピニオン外来
セカンドオピニオン外来は、当院以外の医療機関で治療を行っている患者さんを対象に、当院の専門医師が現在の診断・治療に関して専門的な意見をご提供します。患者さんはその意見を基に、より適したご自身の治療法を選択していただくことができます。そして必ず元の医療機関にお戻りいただきます。そのため、当院での治療や検査をご希望される場合でも、相談後に元の医療機関にお戻りいただき、改めて当院での治療を希望する旨の紹介状を医師に書いていただくことになります。
■ご準備いただく資料
1.現在治療を受けている医師が作成した診療情報提供書(紹介状)
2.レントゲン、CTやMRIのフィルム(CD-ROM)などの資料
■お申し込み方法(完全予約制)
まず主治医にご相談され、紹介状を当院の地域連携室(紹介予約担当)にFAXしてください。セカンドオピニオン担当医師と相談日時を調整、あらためてご連絡いたします。
③院外乳がんサロン(まちなかリボンサロン)
定期的に乳がん患者さんとそのご家族を対象とした「まちなかリボンサロン」が開催れています。当院の医療スタッフも参加することがあります。どの病院で治療しておられる方でも参加できます。(詳しくは図をクリック・ご参照ください)
- 外来診療時間
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午前8時30分~午後5時15分
※初診の方はかかりつけ医の
紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
午前8時30分~午前11時
(予約のある方の後での診療に
なります)
※診療科によっては受診できない
場合があります。
≫≫手術日の注意[PDF]
≫≫外来診療担当医表 - 休診日
- 土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日) - 面会時間
- 11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)