大腸がん
大腸がんの内視鏡診断
大腸内視鏡検査では,通常の白色光観察に加えて,色素内視鏡,NBI/BLIを用いた拡大内視鏡,超音波内視鏡などを使用し,大腸がんの存在診断,質的診断,深達度診断などを行うことで,最適な治療方針を決定します。
大腸がんの内視鏡治療
リンパ節転移の可能性がほとんどない早期大腸がんで,腫瘍が一括切除できる大きさと部位にある場合,内視鏡治療の適応となります(図1)。内視鏡切除後の組織学的評価(病理診断)で,一括切除された粘膜内癌(pTis癌)の場合は,リンパ節転移の可能性がほとんどありませんので,追加外科手術は原則不要とされています。粘膜下層浸潤癌(pT1癌)の場合は,病理学的因子を詳細に検討し,追加外科手術の必要性について検討する必要があります(図2)。(大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版,大腸癌研究会)
図1)cTisがんまたはcT1がんの治療方針
図2)内視鏡的切除後のpT1がんの治療方針
2cm以下の腺腫(良性腫瘍)や初期の大腸がんの場合,多くの症例で日帰り内視鏡治療(ポリペクトミー,内視鏡的粘膜切除術(EMR;endoscopic mucosal resection))が可能です。2cmを超える早期大腸癌や線維化を伴う早期癌などでは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD;endoscopic submucosal dissection)での入院治療を行っています。
大腸ESD治療成績(2015年以降)
一括切除率(病変が一括で切除された症例):97.9%
完全一括摘除率(病変が一括切除され,かつ切除断端が陰性の症例):94.9%
偶発症(2015年以降)
後出血率:0.3%
穿孔率:3.6%
当院大腸ESD件数
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