小児科のDrで,
小児の3次救急,集中治療を志している方々へ
現在,当センターでは大人から小児まで含めた,救急医療と集中治療を行っております。
昨今,日本国内でもPICUの必要性が議論され始めていますが,PICUで働くために研修できる施設数が十分でないのが現状かと思われます。実際,自分自身も「小児の3次救急,集中治療」を勉強するために,県外のこども病院で研修をしました。そこでは,「小児の3次救急,集中治療」を学びたいと考えている,他の県から研修に来ているたくさんの”同士”と出会いました。「小児の3次救急,集中治療」は都市部だけでなく,数は少ないかもしれませんが,地方でも間違いなく必要であり,そのニーズに応えなければならないと思います。個人的にはやはり,health careはlife supportの上になりたっているものと考えております。小児科という全人的な診療科としては,life supportの部分は逃れられない部分だと思います。しかし,PICU・小児病院の整備されていない地方においては,その担い手は残念ながら”小児科医”でなく”救急医””集中治療医”が多いのが現状です。その救急・集中治療領域においては,子供達は,少なからず苦手意識をもたれたまま診療され続けています。そんな”こども達”をそのままみて見ぬふりをしてはまずいのではないでしょうか?
自信をもって診療できるようになるためには,経験が必要です。しかし,小児の「小児の3次救急,集中治療」に関しては,母数が少ないため経験できる機会が少なく,個人個人のスキルアップができないところが問題です。小児の症例数が少ないことは,重症小児が重症成人と比べて少ないということなのでいいことではありますが,逆に少ないですが遭遇する重症小児を診療するスタッフの経験が少ないというのは問題だと思います。それを解決する方法はいくつかあると思いますが,重症成人を診療することでいわゆる”数”は確保できると思います。あとは大きさや道具の選択などの”質”の部分はPICU・NICUなどでトレーニングする必要があると思います。
また,いわゆる救命センターの担う「3次救急」とICU・PICUの担う「集中治療」は分けて考える必要があると思います。救急科の最大の特徴である機動力と,集中治療の最大の特徴である綿密さを学ぶためにはどちらも経験する必要があると思います。
小児の3次救急・集中治療は,小児科の一分野であるべきで,これからそうなっていって欲しいと思います。
そこで,当院の救命救急センターの宣伝ですが。当院には,小児科・新生児科・小児腎臓科・小児外科があり小児に関する診療科がそろっています。また,救急科は救命センターに常駐して,3次救急と院内急変に対応できる機動力をもっています。ICUは8床あり,2010年度の年間入室数は683例で,そのうち小児は32例でした。小児に限らず,入室があった場合には,各診療科が相談しながら治療にあたります。2010年度の小児ICU入室患者は,RSウイルスの細気管支炎・窒息CPA後の低酸素性虚血性脳症,交通外傷・墜落外傷・マムシ咬傷・アナフィラキシー・敗血症などの患児でした。
当院救急科は,「いろいろなバックグラウンドがあるDrが集まった方が,層の厚い診療ができる」というスタンスです。実際に現在,常勤医として働いているDrのバックグラウンドは,麻酔科・呼吸器内科・外科・小児科でバラエティーに富んでいます。それぞれのDrが得意分野を持っており,相談しながら診療にあたっています。
成人も小児も両方診療するメリットとしては,小児では件数の少ない,重症度の高い患者さんを相手にした処置・治療法・疾患の経験を積むことができ,その管理についても基本を学ぶことができます。両方診療することによって,始めて成人と小児の違いを理解することができると思います。
デメリットとしては,「こどもしかみたくない」という方が,成人の診療をする必要があるところぐらいでしょうか。
現在,救急科ではスタッフを募集しております。バックグラウンドは問いません。臨床経験5年目以上であればOKです。是非一度見学にきてください。
“小児科救急”ではなく,“小児救急”を一緒にやりましょう!!
- 外来診療時間
-
午前8時30分~午後5時15分
※初診の方はかかりつけ医の
紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
午前8時30分~午前11時
(予約のある方の後での診療に
なります)
※診療科によっては受診できない
場合があります。
≫≫手術日の注意[PDF]
≫≫外来診療担当医表 - 休診日
- 土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日) - 面会時間
- 11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)