卵巣がんの治療
卵巣がんは早期では症状があらわれにくく,進行が早いとされています。治療は手術,化学療法,病状によっては放射線療法などを組み合わせた集学的治療をおこなう必要があります。化学療法はタキサン製剤とプラチナ製剤の併用が標準治療としておこなわれます。ただ卵巣がんは再発率が高く,Ⅲ・Ⅳ期では約80%が再発するといわれています。
多くのがん種で標準化学療法に分子標的治療薬を併用することで予後の改善がみられているベバシズマブ(アバスチン®)が進行卵巣がん症例にも投与が可能となりました。しかし,特徴的な重大な有害事象として消化管穿孔,血栓塞栓症,高血圧などがあるため,投与に際しては全身管理を慎重におこなうことが求められます。