消化器がんの化学療法
近年,固形がんに対し高い有効性を示す抗がん剤が多数開発されております。手術,放射線治療と最近の抗がん剤を併用することにより,進行がんや再発がんの治療成績は飛躍的に向上しています。抗がん剤治療が急速に進歩するのにともない,抗がん剤治療専門の医師,看護師や薬剤師が必要になっております。当院では平成18年7月に固形がんの化学療法を専門とする臨床腫瘍科を新設しました。当科では,患者様,ご家族と一緒に考えた最適な抗がん剤治療(がん化学療法)を,より良い環境で提供することをモットーとし,外来化学療法をはじめ,入院化学療法も提供しています。
局所進行食道がんでは,放射線科と連携し,根治的化学放射線療法を積極的に実施しています。大腸癌では,以前から使われている抗がん剤(5-FU)のほかに,オキサリプラチンやイリノテカン,さらに,分子標的薬であるアバスチンやアービタックスの使用が可能となり,欧米と同様の抗がん剤が使えるようになりました。さらに手術を併用することで根治を目指す事に取り組んでいます。胃がんでも目下様々な分子標的薬の開発が進められています。