不明熱の治療
古典的な不明熱は,華氏101度(=腋窩38℃に相当)以上の熱が3週間以上続き,1週間の入院精査で原因のわからないものと1961年に定義されています。近年では,入院期間の短縮や診断技術の進歩により,Durackらの案では1991年に『1週間の入院精査』が『3回の外来通院または入院検査3日』と変更されています。しかし,精査という内容は不明確で医師の知識・技術等によって差があります。不明熱は,成人では80%~90%程度で原因が判明し,①感染症,②悪性疾患,③膠原病が3大主因となっています。感染症や悪性疾患は減少傾向にあり,膠原病や最終的に診断のつかない発熱の割合が若干増加傾向にあります。総合診療科にも発熱を主訴とされる多くの新患患者さんが受診され,男女比率は1対1.6と女性が若干多く,平均年齢は男女ともに37歳でした。発熱疾患の分類では,感染症が80%と圧倒的に多く,膠原病は1.5%,悪性腫瘍は0.8%,その他の疾患6.9%などでした。