森本 博司

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森本 博司もりもと ひろし

部長

専門

移植・透析医療一般
外科一般

資格・その他

日本外科学会外科専門医
日本透析医学会専門医
日本移植学会認定医
日本臨床腎移植学会認定医

腎移植について

現在わが国では慢性腎不全のため毎年4万人以上の患者さんが透析療法を導入されており,維持透析を受けている患者さんは34万人に上ります(わが国の慢性透析療法の現況,2019年)。透析療法はデバイスや抗凝固・ホルモン剤の改良により格段に進歩し,腎不全患者さんの寿命は大幅に延びましたが,一方で血液透析は完全な腎代替療法ではないため,長期透析に伴い様々な合併症が出現する可能性があります。また,週3回・1回4時間という時間を透析療法に費やさねばならず,社会生活を営む上でも大きな障害となります。

腎不全のもう一つの治療選択肢として腎移植があります。腎移植は生涯にわたり免疫抑制剤を服用しなければならないというデメリットはあるものの,生命予後やQOLの観点からも優れた腎代替療法です。腎移植には脳死(あるいは心停止)患者さんから腎臓を提供していただく献腎移植と,配偶者や親戚などから提供していただく生体腎移植があり,2019年にはわが国での腎移植実施数が両者を合わせて初めて2,000件を超えました(腎移植臨床登録集計報告2020)。最近では血液型の一致しないドナーからの移植も術前の脱感作などにより可能となっています。一人でも多くの腎不全患者さんに腎移植を知っていただき,移植を希望する機会を持ってもらえるよう努力したいと考えています。