胆道・膵がん,膵炎の外科治療について
胆道・膵がんは消化管に発生する難治がんの代表ですが,根治が最も期待できる治療法は外科的切除です。胆道がんは発生部位に応じて肝葉から肝床切除,胆管切除,膵頭十二指腸切除術(PD)を単独または組み合わせて行います。膵がんもPDを主に行い,門脈浸潤例に対しては合併切除を施行してがん遺残のない手術をめざしています。またPDは臓器温存の目的で胃を温存する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)を主に施行します。術後は消化器内科,臨床腫瘍科,放射線科,NSTと連携し集学的治療および栄養管理を継続して行っています。膵炎では急性膵炎の感染性膵壊死,内科治療の困難な慢性膵炎に対しドレナージ術,膵管減圧術(Frey手術),膵切除術を病態に応じて行います。2009年の手術例は膵切除術:20例,肝・膵頭十二指腸切除術:1例,肝切除+胆管切除術:5例,Frey手術:1例,胆管切除術:1例でした。術後成績は当院ホームページをご参照ください。