言語性学習障害について
考え事をするときは日本人であれば日本語で考えます。「私は英語で考え事をしています」といううらやましい方もいらっしゃるかもしれませんが、いずれにしても言葉がしっかりしていなければ考え事はなかなかまとまりません。言語発達に問題があると「思考する」ことそのものが難しくなるのです。このような機序で生まれる学習障害を特に言語性学習障害と呼んでいます。文部科学省の推計によれば小学生の4%前後に学習障害の兆候が認められるとされ、その多くが言語性学習障害だと言われています。
当科では言葉の発達が遅れている、発音がおかしい、と言ったお子さんの中から言語性学習障害に発展しそうな病的な言語発達遅滞を早期に発見し、その原因を追求しています。原因は難聴であったり、高次脳機能障害であったりとさまざまですが、個々のお子さんにあわせて適切な言語聴覚療法を行い、将来予測される学習上の負担を軽減することを目指しています。