肺癌の外科治療について
わが国の肺癌死亡数は男女とも増加しており、2013年にはついに7万人の大台に乗り、癌死亡者の約20%を占めるようになりました。肺癌は比較的早期から転移することが多く難治性の癌ですが、早期発見できれば手術で治すことが可能です。当科は積極的に胸腔鏡を導入することで『体に対する負担をできるだけ軽減できる低侵襲手術で外科的に根治を目指す』を基本方針にして呼吸器外科専門医が手術を行っています。手術で肺癌を根治するためには、良性病変であると内科的検査で確定診断できない肺腫瘤に対しては経過観察するよりは積極的に胸腔鏡下肺生検による診断的治療をすることをお勧めします。肺癌と診断されれば、8cm前後の皮膚切開で胸腔鏡下に肺癌の根治手術を行います。手術の結果、進行肺癌と診断された場合にも、呼吸器内科、臨床腫瘍科、放射線科とも連携して化学療法や放射線治療による集学的治療に迅速に移行して根治を目指します。