転移性肝がんの制御と肝切除
私は肝胆膵外科を専門としています。大学院の基礎研究では,転移性肝がんについて研究を行い,学位を取得後McGill University(カナダ)にて肝内腫瘍免疫微小環境について研究を続けてきました。その後,大学病院で臨床,研究の両面からがんの制御のため日々研鑽を積んでまいりました。
大腸がんの肝転移をはじめ,様々ながん腫の転移性肝がんの診療を行っております。大腸がんの転移性肝がんでは肝切除が第一選択であり,唯一の根治的治療法です。近年,化学療法の進歩により,当初は切除不能な症例であっても,切除可能な状態まで制御することができ,集学的治療により根治できる症例もあります。肝切除後に再発した患者さんでも再発部位に対しても積極的に切除を繰り返すことで,予後の改善や治癒が見込めます。肝転移巣を切除しながら,肝予備能を温存し,根治できるよう最良な治療法をご提示できるよう努めてまいります。
多発症例や切除ボリュームなどで切除が難しいと思われる症例であっても,患者さんにとって適した治療を提案できるよう熟慮いたしますので,ご紹介をよろしくお願いいたします。