ハイリスク新生児について
少子化に伴い出生数は低下傾向ですが,低出生体重児の出生数は増加しています。なかでも出生時体重が1000g未満の超低出生体重児は未熟性が強く,呼吸,循環,栄養管理が困難です。当院では年間約25名の超低出生体重児が入院し,このうち750g未満あるいは在胎週数が25週未満である,より未熟性の強い児の入院割合が7~8割を占めています。その生存率は高く,750g未満児:90% ,在胎22~24週で出生した児:94%,在胎25~27週で出生した児:95%となっており,後遺症なき生存を目指しています。
また,外科的疾患をもつ児は,胎内から胎外環境への適応の最中にあたる生後早期に手術管理を要するため,術前後の全身管理は新生児科で行っています。
新生児仮死に対する低体温療法,遷延性肺高血圧症に対するNO吸入療法,代謝疾患,腎不全に対する血液浄化療法,先天性横隔膜ヘルニアに対するECMO(体外式膜型人工肺)治療などの特殊疾患も行えます。
母親をはじめとしたご家族の心情も配慮し,出産前から退院後の育児支援まで,ご家族の精神的ケアを含めたトータルケアを行っております。